はちみつは僕たちにとってとても日常的で身近なものですが、単花蜜や百花蜜、精製はちみつや純粋はちみつなどに分類されていたりするのはご存知でしたか?
僕自身もマヌカハニーにハマってはちみつに興味を持つまでは全然知りませんでしたが、いつも何気なく食べていたはちみつにはいろいろな種類があり、そして意外な成分や効能があると知ったときはけっこうびっくりしました。
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おそらく以前の僕と同じように、知られざるはちみつの分類方法や秘密、驚異的な効能に気付いていない方はたくさんいると思います。
それってとてももったいない気がするので、今回は「はちみつの魅力」をみなさんに伝えるべく、はちみつの種類や、成分、特徴、選び方などについて書かせていただこうかと思います。
この記事の目次
はちみつ=ミツバチが花の蜜から時間をかけて作り出すもの
はちみつは花の蜜を集めだだけのもの、と思われがちですが、はちみつを作るためにはやはりミツバチに花蜜を集めてもらわなくてはなりません。
ハチが花蜜を体内に取り込み、自らの唾液中の酵素を混ぜていくことによって、はちみつの素になる成分に変わっていくからです。
ただ花蜜を集めただけでは、はちみつにはならないんです。
集めた花蜜を巣に持ち帰って仲間と交換
口移しで受けわたすことによってハチたちは唾液の酵素を花蜜に混ぜると同時に、花蜜の成分である「ショ糖」を果糖とブドウ糖に完全に転化させ、六角形の巣房に蓄えます。
巣房に移した蜜の水分を飛ばす
さらにその巣房の中で自らの羽で熱風をおこし、蜜に含まれる水分が20%になるまで蒸発させます。
蓋をして熟成
そして糖度が80%になったらミツバチのおなかから分泌される「蜜ろう」で巣房にふたをして熟成、それからやっと僕たちがいつも食べているようなはちみつができあがります。
つまり「花蜜」を「はちみつ」にするためにはミツバチの唾液から出る酵素と、花蜜の成分分解が必要ということですね。
はちみつの種類
「単花蜜」と「百花蜜」がある
まず、はちみつは大きく2種類に分けられます。「単花蜜(たんかみつ)」と「百花蜜(ひゃっかみつ)」です。
その名の通り、「単花蜜」はほぼ一種類の花の蜜によって作られたはちみつのこと。「百花蜜」は何種類かの花の蜜によって作られたはちみつのことです。
ミツバチは基本的に1つの花からはちみつを作る習性があります。
たとえば、ミツバチは住んでいるエリアにレンゲがたくさん咲いていたら、レンゲだけではちみつを作ります(単花蜜)。
しかし十分な量のレンゲが咲いていない場合は、さまざまな種類の花から蜜をもらい、はちみつを作ります(百花蜜)。
単花蜜について
単花蜜にはマヌカ、アカシア、栗、そば、レモン、ラベンダー、タイム、カマヒ、レワレワなど多くの種類があり、それぞれ味わいや風味が違うので、用途や好みによって使い分けられています(マヌカハニーも単花蜜ですね)。
また同じ花のものだとしても国によって味わいなどが少し変わってきます。日本で採れたラベンダーのはちみつと、イギリスでとれたラベンダーのはちみつとで味が違ったりするんです。面白いですよね。
百花蜜について
百花蜜は上記の花やそれ以外の野花の蜜が混ざっているので、採れた場所や時期などによって味や香りが違います。
なのでおなじ「百花蜜」として売られているものでも特徴が全然違ったりします。
どんな味がするかは蓋を開けてみてのお楽しみ、というわくわく感があります。
「純粋はちみつ」、「加糖はちみつ」、「精製はちみつ」の違い
養蜂家は巣箱からはちみつを採取した後、製品にするために瓶に詰めますが、そのときにどういう処理をするかで3つに分類されます。
1つ目は「精製はちみつ」、2つ目は「加糖はちみつ」、3つ目は「純粋はちみつ」です。
精製はちみつと加糖はちみつは、加熱や甘味料添加などで本来のはちみつとはほとんど変わってしまっていて、豊富な栄養や健康にいい効果は期待できません。
つまりはちみつ本来の栄養素や成分を持っているのは「純粋はちみつ」だけなんですね。なので、買う時は絶対に純粋はちみつがおすすめです。
そして純粋はちみつの中でも「生はちみつ」「天然はちみつ」と呼ばれるものが一番たっぷりと栄養成分を持っています。
選ぶなら純粋はちみつ。でも落とし穴が・・・
「純粋はちみつ」とラベルに表記されているものならなんでも大丈夫だと思ってしまいがちですが、実はそうではありません。
「純粋はちみつ」のカテゴリには確かに加糖、精製、高加熱処理のされていない栄養豊富な生はちみつが含まれるのですが、加糖と精製はされていないけれど高加熱処理のされているものや、成分詐称をした偽物も含まれていることがあるのです。
商品のラベルに「生」だとか「天然」だとか「非加熱」などと書かれていればまだ区別が付きやすいのですが、現在の法律ではそれらの表記は禁じられていて、すべて「純粋」に統一するように決められています。
それでは本来の薬効と栄養分を持っているはちみつを確実に手に入れるにはどうすれば良いかというと、今のところ信頼のできる販売店・販売者サイトから購入するしかありません。
このことについては少し長くなってしまうので、記事の後半でまたくわしくお話しします。
はちみつの特徴
はちみつは僕たちの心身を健康にし、人生を豊かにしてくれるパワーに溢れています。
ここでは、はちみつの基本的な特徴をお話させてもらいます。
はちみつの糖は「単糖」。おなかに優しく、低カロリー
はちみつの成分の約80%は主にブドウ糖と果糖という糖類で成り立っています。
このブドウ糖と果糖は「単糖」と言われる糖質の最小単位で、体の中でそれ以上分解する必要がありません。
なので胃腸にあまり負担をかけることなく、すぐに血液や細胞に吸収され、僕たちのエネルギー源となってくれます。
そしてはちみつは砂糖より甘さを感じやすいので、たとえばはちみつ小さじ1杯と砂糖大さじ1杯が同じ甘さになります。
しかももともとのカロリーもはちみつの方が少ないので、料理などで砂糖の代わりにはちみつを使った場合、約20%強もカロリーを抑えることができるんです!
はちみつは180種類以上の栄養成分をもっている
はちみつには健康と美容にいいと言われるビタミンやミネラル、有機酸などの天然成分が、なんと180種類以上も含まれています。
滋養強壮、病気の予防、健康維持など、全般的に人間の体をサポートしてくれる万能食品なんです。
ただ、ビタミンCだけは唯一少ないので、足りない分はレモンなどでサポートしてあげるのが吉です。
逆を言えば、はちみつとビタミンCを含む何かがあれば栄養はほとんど足りてしまうということです。
実際、アメリカのある研究者が三か月間、はちみつとレモンだけで過ごしても、まったく健康に異状は起きなかったという話は有名です。
そして食べる以外でも、簡単な切り傷の応急手当や、肌をうるおわせるはちみつパック、口臭や口内炎予防のはちみつうがい水など、いろいろな使い方ができます。
腐らず、長期間の保存が可能
はちみつは基本的に腐らないので長期間保管ができます。
売られているものには一応賞味期限がありますが、期限を過ぎてもやや風味が落ちるだけで、まだまだ食べることができます。
なぜかというと、はちみつは水分が少なく、糖度が80%前後もあるので微生物が繁殖しづらいからです。きちんと保存すればかなりのあいだ腐りません。
以前、3000年以上前の古代エジプトのお墓からはちみつの入ったツボが出てきたそうですが、中のはちみつの品質はほとんど変化していなかったそうです。
栄養もあるし、保存もきく。非常食にもってこいですよね。僕も何かあった時のために防災グッズに加えてあります。
ただし、使い始めたら、一度くちにいれたスプーンなどを瓶の中に入れてもう一度すくってはいけません。水分と雑菌が入り、発酵の原因になってしまいます。
それを守ったうえで、直射日光を避け、湿度が低く、温度変化の少ないところに置くようにしましょう。
はちみつの主な効果一覧
整腸作用
グルコン酸とオリゴ糖が腸内のビフィズス菌を増やし、腸内環境を改善。便秘や下痢にも効果的です。
関連記事:「便秘改善にマヌカハニーが効く!腸内環境を整えて詰まりを解消!!」
ダイエット効果
抗酸化物質を多く含んでいるため、悪玉コレステロールや中性脂肪の減少効果があります。メタボ対策にもなります。
花粉症対策
自分がアレルギーをもつ花粉のシーズン前から毎日少しずつ食べると、症状の緩和ができると海外でも評判になっています。はちみつにはごく微量の花粉が混ざっているため、その花粉を体内にとりいれておくことが有効なのではないかと推測されています。
更年期障害対策
はちみつに含まれるポリフェノールがホルモンのバランスをとり、更年期特有の不安定さを軽減。イライラも抑えてくれます。
生活習慣病の予防
これもポリフェノールの働きで血液がさらさらに。動脈硬化などの心臓病対策などになります。
素早い栄養補給が可能
消化の必要がないブドウ糖と果糖は吸収が早く、すぐにエネルギーになってくれます。疲労回復、脳のエネルギー補給におすすめです。エナジードリンクとして「はちみつ水」を使っているアスリートもたくさんいますよ。
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のどの痛み対策に
はちみつの持つ殺菌作用で、のどの痛みのもととなるウイルスや炎症をおさえてくれます。
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口臭予防
はちみつの殺菌作用で口の中の悪玉菌をころし、においの発生を防いでくれます。
おすすめは歯ブラシをしてからの、寝る直前にスプーン一杯のはちみつをとることです(そのあとにお水はなるべく飲まないように)。起きた時に口がすっきりしているのを実感できると思います。
はちみつは虫歯の原因となるミュータンス菌の活動をおさえるため、虫歯の原因とはなりませんので安心してくださいね。
関連記事:「マヌカハニーが嫌な口臭を撃退!口内環境を改善してくれるその秘密とは?」
花の種類によって違う蜂蜜の特徴
はちみつは採れる花の種類の数だけ、さらにいろいろな違いがあります。はちみつとしての基本的な特徴は一緒なのですが、得意とする薬効が微妙に違ってくるんです。
ここでは養蜂に利用される代表的な花たちとその特徴を簡単にご紹介しますね。
アカシア
果糖が特に多く、GI((食後血糖値の上昇度を示す指標))も低いため、血糖値調整に特によいとされる。便秘の解消にも効果あり。
クローバー
クセが少なくとても食べやすい。しっかりとした甘みがあり、整腸作用やアンチエイジングの作用が強いとされている。
ハーブ系の花(菩提樹、ラベンダー、ローズマリー、セージ、リンデン、ユーカリなど)
抗菌性がひときわ高く、のどや気管支などの不調に良いとされている。
なかでも菩提樹のはちみつはヨーロッパ諸国で古くから風邪薬として使われてきた。
レンゲ
最も癖がなく、広く親しまれているため「はちみつの王様」と称されることが多い。その癖のなさから料理の隠し味としてもよくつかわれる。
便秘解消に効果ありとされる。
マヌカ
ニュージーランドでとれるマヌカハニーは、特有の成分メチルグリオキサールを含み、はちみつの中で特に抗菌性が高い。化膿止めや、ピロリ菌対策に最新の医療でもつかわれるほど。
はちみつによる健康ブームの火付け役であり、世界的にもかなりの人気がある。
僕個人としても一番好きで、おススメのはちみつです。
関連記事:「マヌカハニーの効果・効能について。効果的な食べ方や数値もお教えします。」
菜の花
鎮静効果、リラックス作用などの効果を期待できる。ドイツのはちみつ療法でよく使われていたりする。
そば・栗
鉄分や亜鉛などのミネラル・フラボノイドが特に多い。貧血、高血圧、胃痛に良く効く。
妊娠中や育児中の栄養補給剤として勧められることも多く、女性に人気。
咳止めにも用いられることが多い。
百花蜜
さまざまな花の蜜によってつくられる。栄養素のバランスも良く、比較的値段も安く手に入るため人気がある。
そして、実は百花蜜の味わいがその取れた土地の風土を一番写とるといわれている。
はちみつに興味を持ったらまずは百花蜜から試してみるといいかもしれません。
甘露蜜
海外では「森の蜂蜜」と呼ばれることもある。
他の蜂蜜同じように花蜜からつくられるのでなく、樹液を吸った小さな昆虫たちが身体から分泌する甘い液をミツバチが集めて、はちみつにしたものを甘露蜜という。
元が虫の体液というと驚く人も多いが、栄養価は一段と高く、身体の不調に広く効くため(解毒作用、免疫力強化、整腸作用などがある)愛用者が多い。
味はコクがあり、すこしコンソメのような味がする。
食べ比べをすると分かりますが、その花ごとに特徴・味がちがってとても面白いです。
その花が咲いている様子や、産地の風景を想像しながら食べるとまた一段と美味しく感じられますよ。
あまりいろんな種類のはちみつを扱っている販売店は多くありませんが、武州養蜂園オンラインショップなら種類が豊富なので、さまざまなはちみつを試してみたい方におススメです。
天然の生はちみつを手に入れるためには信頼できる販売者を見つけることが大事
先ほども書いたように純粋はちみつを買うときは少し注意しなければなりません。
なので、「純粋はちみつ」とラベルに表記されているものを買うときは、それが非加熱の生はちみつであることを保証してくれる販売店・販売サイトから購入するのが重要になってきます。
実店舗のある販売店の場合は、詳しい店員さんに聞き、販売サイトの場合はその商品ページの説明をしっかり読みましょう(ラベルには純粋はちみつとしか書いてはいけませんが、サイトなどの説明には非加熱や生はちみつであることを書いても大丈夫なのです。本当にややこしいですよね)。
なお、品質の確かさで選ぶなら僕はマヌカハニーをお勧めしています。
マヌカハニーはニュージーランド政府に認められた検査機関によってすべて検査され、成分の詳細書や保証書まで発行されるので、安心して食べることができるからです。
しかも、マヌカハニーは普通のはちみつより殺菌・抗菌力が強いためさらに高い効果が期待できます。
少し値段が高いのが難点ですが、その価格に見合った価値はあると僕は思っています。
関連記事:「マヌカハニーの効果・効能について。効果的な食べ方や数値もお教えします。」
はちみつ選びのコツ
ではここで、はちみつ選びのポイントをちょっとまとめてみましょう。
はちみつ選びの4つのポイント
- 純粋はちみつ(なるべく生はちみつ)にする。
- 信頼できる販売店(メーカー)のものにする。
- 多くの場合、純粋はちみつ(生はちみつ)は透明度が低く、多少濁っている。
- 様々な酵素が入っているので、瓶を逆さにするととても小さな泡が出てくることが多い。
まず、純粋はちみつ(非加熱無加工のはちみつ)であることが大前提です。その上で買うお店は信用できるところからにしましょう。
純粋はちみつは透明度が低かったり、極小の泡がでることが多いですが、そのあたりは花の種類によっても多少変わってくるので、あくまで目安くらいに考えましょう。
どちらにせよ、販売店さえしっかりしたところを選べばどの商品を選んでも大丈夫かと思います。
他の記事でおすすめの販売店を紹介していたりするので、興味のある方は見てみてくださいね。
関連記事:「マヌカハニーを初めて買うならおすすめはこれ!はちみつマニアの厳選ベスト5!」
まとめ
はちみつについて大まかに書かせていただきました。
それぞれの効果や効能についてもっと詳しく知りたい方は、さらに書きこんである個別の関連記事を見ていただければと思います。
はちみつは人間にとって多くのメリットをもたらす、奇跡と言っていいような食品です。
古代では、世界中で万能薬として重宝されてきましたし、近年でも耐性菌問題などでふたたび、はちみつの薬効に脚光が当てられてきました。
値段もそこまで高くないですし、けっこう手軽に手に入るので、これを利用しない手はありません。
僕もいまでは毎日寝る前にはちみつを小さじ一杯食べています。疲れ果てた一日の終わりに、甘くておいしいはちみつを舐めて寝る気持ちよさと言ったら!
実際、一度「はちみつのある生活の良さ」を味わってしまうと元に戻れませんよ。笑
少しでもはちみつの魅力をお伝えできていたらとても嬉しく思います。
長文にお付き合い頂きありがとうございました。