自分の大切な犬や猫にはじめてハチミツを与えるときは「ハチミツをあげても大丈夫かな?」と気になりますよね。
答えを言うと基本的には適量なら大丈夫です。ただしそれは健康な成犬(成猫)の場合。
なぜならハチミツにはごくまれにボツリヌス菌が混ざっている場合があり、免疫機能がしっかりしていない子犬(子猫)や老犬(老猫)が食べるとお腹を壊してしまう可能性があるからです。
健康な成犬(成猫)ならボツリヌス菌に感染する確率は低いので大丈夫ですが、あまり沢山の量を与えると今度はカロリーの過剰摂取になってしまうので注意が必要です。
「じゃああげないほうがよさそう」とお思いになるかもしれませんが、上記のようなデメリットばかりではなく、口内環境改善(口内炎・口臭・歯周病)や傷の早期回復が見込めるといったメリットもあります。
今回は犬や猫にハチミツを与えるときの、そういった注意点やメリットなどを詳しく解説させてもらいます。
この記事の目次
犬や猫にハチミツを与えるときの注意点
ボツリヌス菌に感染する可能性がある
冒頭でも言ったように、犬や猫にハチミツを与えるのに躊躇してしまう一番の理由はこれです。
ボツリヌス菌は自然界にいろいろなところに存在する細菌の一つですが、感染してしまうと腹痛、吐き気、嘔吐などといった症状がでます。
日本で手に入るハチミツのおよそ5%はボツリヌス菌に感染していると言われています。
健康な成犬(成猫)は感染する確率は低いですが、ゼロとは言い切れないので心配な場合は与えないほうがベターです。ましてや子犬(子猫)や老犬には絶対に与えないようにしましょう。
加熱すれば大丈夫と言う方もいますが(ボツリヌス菌の毒素は熱に弱いので)、ボツリヌス菌のもととなる「芽胞(がほう)」は加熱ではなくなりません。加熱の有無は関係ないと思いましょう。
与えすぎるとカロリーオーバーに
ハチミツは砂糖よりもカロリーが低く、またGI値も低いため、人間のダイエット調味料としてよく使われます。
犬猫の場合も砂糖より健康に悪くはありません。とはいっても主成分は糖質なので、食べ過ぎるとカロリーの過剰摂取になってしまいます。
肥満は内臓系の病気になりやすくなるだけでなく、腰や脚などにも負担がかかるなど、万病の元となってしまいます。
ハチミツに限らず、ご飯の量などは飼い主がしっかり調節してあげましょう。
花粉アレルギーがある場合は与えないように
ハチミツにはごく少量の花粉が含まれている事が多いので、花粉アレルギーのある犬や猫の場合はあげないほうがよいでしょう。
ハチミツを与えるメリット
ハチミツは人間にとって栄養価も高く健康にも良いスーパーフードなのですが、その効果のいくつかは犬や猫にも期待できます。
特に犬や猫の場合は個体差があるので、人間と同じような効き目は期待しないほうがいいですが、それでもささやかな助けになってくれることもあります。
口内炎、歯周病などの改善が見込める
ハチミツには殺菌・抗菌作用があり、口の中の環境を清潔にしてくれる作用があります。
「甘いものだから逆に虫歯になってしまうのでは」と思いがちですが、ハチミツの糖分は虫歯の原因菌であるミュータンス菌の餌になりにくいものなので大丈夫なんです。
そして傷の修復にも良いので、口の中に口内炎などがある場合、その治りを早めてくれたりします。
毎日小さじ一杯半くらいあげていたら口臭がよくなったという例などもあるんですよ。
整腸作用がある
ハチミツはその殺菌力でお腹の悪い菌をやっつけ、かわりに善玉菌を増やしてくれる作用があるので、便が固めのときなどのケアとして取り入れてみてもよいそうです。
人の場合も、特に女性の間では便秘にならないようにハチミツを食べ続けている方も少なくありません。
傷口に塗ると治りが早くなる
ハチミツを傷に塗っておくと傷の治りを早めてくれます。犬や猫にとっての一番のメリットはこれだと思います。
実はハチミツは古代から使われ続けてきた優秀な塗り薬です。殺菌作用と乾燥を防ぐ作用があるので、湿潤療法と同じような理屈で傷がキレイに癒えるのをサポートしてくれます。
海外の研究では馬の創傷治療にかなりの効果があったという報告もあります。
なので、もし出先で愛犬や愛猫が怪我をしたときは、簡易的な手当として有効です(その場合は舐めてしまわないように工夫しましょう)。
しかしあくまで簡易的な手当としてなので、動物病院に行けるならそこできちんとした治療を受けたほうがよいということは忘れないようにしましょう。
エネルギーの素早い補給ができる
ハチミツの糖分は単糖なので、エネルギーとしてすぐに体に吸収されます。少食の犬の餌などにほんの少し混ぜてあげるのもいいかもしれません。
ちなみにハチミツにはおよそ120種類以上の豊富な栄養素が含まれており、人間にはとても優れた栄養食ですが、犬や猫には人間ほどの栄養補給効果は期待できないとのことです。
与える場合は純粋ハチミツを
もしあげてみるなら、その際はかならず純粋ハチミツを与えるようにしましょう。
ハチミツには大きく分けて「加糖ハチミツ」「精製ハチミツ」「純粋ハチミツ」の3種類がありますが、健康に良い作用が期待できるのは「純粋ハチミツ」だけです。
関連記事:「はちみつの種類や、成分・特徴などを解説!はちみつの魅力を知ろう!」
個人的なオススメはニュージーランド政府公認の検査を受け、品質の保証されたマヌカハニーです。少し高価ですが、それだけの価値はあると思います。
関連記事:「マヌカハニーの効果・効能について。効果的な食べ方や数値もお教えします。」
犬とハチミツに関するまとめ
ハチミツを犬や猫にあげるときの注意点とメリット
「注意点」
- 子犬(子猫)や老犬(老猫)にはあげてはいけない。
- 健康な成犬(成猫)でもボツリヌス菌に感染する可能性はゼロではない。
- 花粉アレルギーがある場合は注意。
- 与える場合はかならず体に良いハチミツ(純粋ハチミツ。可能ならマヌカハニー)を。
- 与え過ぎは肥満の元になるので注意。
「メリット」
- 口腔環境の改善(口内炎、歯周病など)が期待できる。
- 整腸作用で便の状態改善が期待できる。
- エネルギーの素早い補給ができる。
- 傷口に直接塗ると治りが早くなる。
僕の個人的な結論としては、「ハチミツは積極的に与えないほうがいい」です。
犬(猫)の年齢とあげる量に注意すれば特に害もなく、むしろメリットがあったりしますが、そこまで大きな効果は期待できません。
健康に心配な点がある場合は動物病院に連れて行ったほうが確実です。もし僕が躊躇なくハチミツを使うとしたら、外出先で怪我をしてしまったときに傷口に塗りつけるくらいかなと思います。
しかし、犬や猫にハチミツにあげることに関しては人によって見解が違ったりするので、いくつか違う意見を聞いてみるのも良いかと思います。
いくつか外部サイトのリンクを貼っておくので、参考にしてみるとより深い判断ができると思います。